2016年末には1ドル=100円台前半も?動揺する世界経済と株価・為替への影響

2016為替予測_アイキャッチ
Relaxing trader who is sitting in front of trading station which consists of six blank screens

利上げにより強くなる米ドル、引っ張られる英ポンド、カナダドル

2015年末のFOMC(Federal Open Market Committee = 連邦準備制度理事会)会合は、好調な経済状況をかんがみてゼロ金利政策を解除し、世界金融危機以降据え置いていた金利の引き上げに動くなど、好調な動きが続いています。年内にも数回の利上げの可能性があるとも言われ、その動向に注目が集まります。

更に1バレル=100ドル台と有史以来の高値を維持していた原油価格を追い風にして、それまで商業生産の難しかったシェールオイルの商業生産を軌道に乗せ、原油供給の中心的役割を果たしていたOPEC加盟国のシェアに切り込むなど、好調な経済を背景として世界経済に対して大きなインパクトを与える様々な技術開発が進んでいます。

好調な経済状況を追い風にしているのはアメリカだけではなく、イギリスやカナダも利上げの可能性が噂されていて、2016年にはこれらの通貨が為替相場の主役となる可能性が高いと言われています。

経済不安と政治不安から弱いユーロ

このように好調な米英に対してユーロでは、ISILのイラク・シリアへの浸透と勢力拡大による大量の難民の流入と原油安の直撃を受けることが予想されているため、デフレ懸念が強まっているだけではなく、中国との経済的結びつきが強いため、中国経済の失速に引きずられて景気低迷に陥りつつあり、ユーロ安が進みつつあります。

1ドル=125円の「黒田ライン」を意識する日本円

このように好調不調が鮮やかに分かれつつある欧米に対して、日本経済と日本円はどうなると予想されているでしょうか。

異次元の金融緩和と日本円の円安誘導、インフレターゲットの設定の「3本の矢」でバブル崩壊から続くデフレ脱却をめざす「アベノミクス」により、景気が上向きつつありました。しかし欧州よりも地理的に近く、「政冷経熱」と言われるほど経済的結びつきの強い中国経済の減速の影響と、原油安による中東産油国の政府ファンドの保有する日本株の大量売却の影響により、日経平均株価は年明け最初の取引である4日の大発会から18日までの10日間の取引で1日を除いて全て前日終値を下回り、昨年末の終値から2,000円以上下げるなど、アベノミクスのプラス分を帳消しにするマイナスがではじめています。

為替もその影響を受けていて、2015年6月の黒田日銀総裁の「実質実効為替レートでは充分円安で125円より円安を望まない」を意識する1ドル=125円程度を「黒田ライン」として意識する為替取引が続いていますが、世界経済の不安定化を受けて世界中で安全資産に動かす動きが強まっているために1ヶ月で5円前後と急激な円高が進んでいます。
そのため、これからFXのような金融取引を始めようと考えている人はこれまで以上に入念な情報収集を行うことが賢明です。
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不安要因は中国経済の減速と原油価格

好調な米国と不調が目立ち始めている日欧という2極化が進んでいる世界経済ですが、ここまで明確に分かれた理由として、経済的な結びつきの強かった中国経済の急激な失速と、アメリカのシェールオイルの商業生産の実用化による原油価格の急落があげられます。個人投資家まで巻き込んだ株取引熱によって好調を維持していた中国経済ですが、2015年夏に導入された信用取引規制により1ヶ月足らずで5,000ポイント台から3,000ポイント台まで一気に下げることとなります。
その後も一部銘柄の取引停止をはじめとする当局による強引な株価対策により秋から冬にかけて安定しますが、年明けとともに再び大きく下げるとともに、経済の減速が明らかになりつつあります。

中国経済の失速と並んで世界経済に大きな影響を与えているのが、アメリカでのシェールオイルの商業生産の開始です。
シェールオイルによりアメリカは40年ぶりの原油輸入国から輸出国に転じ、これに危機感を抱いたOPEC加盟国は生産量を維持することでシェアの維持を狙ったために原油在庫はダブつき、半年足らずで1バレル=30ドル台の安値圏へと下落することとなりました。

おわりに

世界経済の不安要因とされている中国経済の減速と原油価格の低迷が解消する見込みは現時点では全く見えません。既に株価・為替ともに大きな影響が出ていますが、実体経済にどれだけの影響があるかはこれから明らかになります。この世界経済の動揺をピンチと捉えるかチャンスとするかはあなた次第です。