波乱の予感!2016年初頭為替の動き

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2016年初頭の株式・株価の値動き

最初に、2016年の取引初日である大発会を含む直近1ヶ月の株式と為替の値動きを見てみましょう。

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出典:Yahoo!ファイナンス – 日経平均株価

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米ドル/日本円 FXレート・チャート – Yahoo!ファイナンス

このように、日経平均は大発会のあった4日から19日まで1日を除いて一貫して前日終値に対して安値を更新し、為替も米ドルに対して高くなる状況が続いています。

なぜこのように大荒れになったのか

日本を含めた世界経済は、なぜこのように大荒れの状況になっているのでしょうか。様々な世界経済が動揺している理由は様々なものがあげられていますが、もっとも説得力をもって語られているのが、これまで世界経済の推進役を果たしていた中国経済の急激な失速です。2015年夏の先物取引への規制導入をきっかけとして上海株式市場は5,000ポイント台から3,000ポイント台へと急激に下げ、それまで比較的堅調に推移していた実体経済にも大きな影響を与えることとなりました。
中国経済の失速の影響は世界経済全体にも影響し、ISILの増長によるイラク・シリアからの難民に悩んでいたヨーロッパ各国や、アベノミクスによるデフレ脱却を目指していた日本に冷水を浴びせています。

経済的結びつきの深さから急落の初期から大きな影響を受けた日欧に対して、初期にはそれほど大きな影響を受けなかったのが、2008年のリーマンショックから続けていたゼロ金利政策に代表される金融緩和政策の終了時期を探っていたアメリカです。FRBのイエレン議長は、「世界経済に不安定化の兆しはあるもののアメリカ経済は堅調である」として12月のFOMC会合での利上げを決定・実施しました。しかし2016年に入ると中国経済の失速に巻き込まれ、連日NYダウを下げることとなりました。

世界経済の混乱はいつごろ収まるのか

このように世界経済に大きな影響を及ぼしつつある中国経済の失速は、今後どのような決着を迎えるのでしょうか。「イングランド銀行を潰した男」の異名を持つ債券投資家のジョージ・ソロス George Soros は、次のように語っています。

スリランカのコロンボで開かれた経済フォーラムで7日に語ったソロス氏は、中国が新たな成長モデルを見つけるのに苦戦しており、人民元の切り下げが問題を世界中に飛び火させていると分析。金利の動向は新興国・地域に難題を与えると指摘した上で、現在の環境は2008年に類似していると付け加えた。
年初の株式市場は波乱に見舞われ、6日までに世界で時価総額約2兆5000億ドル(約294兆円)が失われた。
ソロス氏は「中国は調整に関して大きな問題に直面している。私に言わせれば危機と呼んでいいものだ。金融市場には深刻な難題が見られ、私は2008年の危機を思い出す」と語った。
出典:ソロス氏、世界の市場は2008年のような危機に直面-用心が必要 – Bloomberg

「国境なき政治家」を自称するソロスは、一党独裁体制を維持している中国に対してほぼ一貫して辛らつとも言える態度を取る投資家として知られているため、彼の中国に関する政治的立ち位置を守るための発言として割り引いて考える必要があります。
しかし中国経済は「高騰していた株式や不動産などの金融市場の急な冷え込みが製造業などの実体経済に悪影響を及ぼしつつある」2008年のアメリカのリーマンショックと同じ状況に落ち込みつつあるのは事実であり、ソロスの今回の発言は一面の真実を突いているのかもしれません。

今後はどのように動くと考えられるか

ここまで急激に為替・株価が落ち込むと、気になるのはいつごろ回復する見込みが立つのかということです。日経平均は年明けから数えて2,000円ちかい金額を失い、為替も米ドルに対して1ヶ月で5円ちかく高くなるなど、大規模な金融緩和と円安誘導、インフレターゲットの設定でデフレ脱却をめざしているアベノミクスに逆風が吹きはじめています。ヨーロッパもシリアから流入している難民問題をはじめとして、政治・経済の両面で行き詰まりの様相を見せつつあり、頼みのアメリカ経済もNYダウが2,000ドル近くさげるなど、利上げのときの強気を支えた経済の好調さに陰りが見えるなど、世界経済は総じて急速に冷え込みつつあると言えそうです。

おわりに

中国経済の急減速をきっかけとする世界経済の失速は底が見えないと言ってよい状況にあり、慎重な行動が要求されています。
今後の経済状況や為替状況は予測できないことを念頭に置いて、リスク回避を優先した取引を心がけたいものです。